口腔周囲の成長と機能の低下4/4
こんにちは。総社市のむらき歯科医院、ドクターの大森です。前回の続き。今日は衰える話です。
人の体は必ず衰えます。それは程度の差こそあれ年月を経れば起こることです。歯科医師をしていて思う事は、口の中に決定的なトラブルが起こるまでは『いつまでも変わらず美味しいものを食べられる。』と思っている方が多い事です。体が衰え、日常生活に不便を感じる。と想像する事が出来るように、口の機能もやがて衰えていきます。それは、歯だけの話でなく顔の表情を作る時、噛んで顎を動かす時、飲み込む時、主に筋肉の衰えです。筋肉と聞くと手足と何ら変わり無い話です。そこに、歯のエラー(虫歯、歯周病、歯の破折、義歯の不具合)が混ざって、急に問題として表面化します。
口腔機能の衰えは成人した瞬間から進行していきます。皆さん、コロナの流行時に人と話すこと、笑うことが減って一時的に話し難く感じる。笑う時に顔が疲れる。と、いった経験はありませんでしたか?また、舌、頬をよく噛むようになった、飲み込む時にたまにむせる。など、感じたことはありませんか?それは口腔機能の衰えの入り口になります。この場合、構造的に異変を来していないため、トレーニングで機能の回復が行える事があります。オーラルフレイルの予防で一番大切な事は、初期の軽い症状に気づき、問題になる前に回復をする。からだの衰え防止のために歩く。などと全く同じになります。
最初のフレイルは自発性の低下、無関心です。人と話、笑い、美味しく食べる事を大切にしましょう。